蕎麦を食べた後、蕎麦湯を楽しみにしている人は多いかもしれませんね。
この蕎麦湯は単純に味を楽しむためではなくて、蕎麦を茹でる時に溶けてしまう栄養素を摂取するために飲むという説が一般的に知られていますが、実はその説は誤りだという意見もあり実際はどうなのか気になるところです。
ここでは蕎麦湯の効能として知られている美容や健康効果について調べてみたことをまとめてみたので、参考にしてみてくださいね。
もくじ
蕎麦湯の効能はうそか本当か?
蕎麦湯は蕎麦を茹でる時に溶け出した栄養素を摂取できるので、蕎麦を食べた後に蕎麦湯を飲むのは理にかなっている。
こうした説が恐らく一般的に知られている蕎麦湯の効能ではないでしょうか。
ですが、この蕎麦湯の効能はうそだという説があって、ポリフェノールのルチン(血液サラサラ効果があるとされているありがたい栄養素)は水に溶けない栄養素なのでいくら蕎麦湯を飲んでもルチンの摂取はできないというのがその根拠です。
たしかに人工的に作られたルチンは水溶性だけれど天然のルチンは水には溶けません。蕎麦に含まれるルチンはもちろん天然の栄養素なので水には溶けません。
だからといって「蕎麦湯の効能はうそ」という一言で片づけるのはなかなか暴力的ではないでしょうか。
ルチンは水に溶けないとしても、蕎麦湯には植物性たんぱく質、水溶性のカリウムやビタミンB群、でんぷんや食物繊維などが溶けていると見られるので、蕎麦湯の効能は高いという説も根強く存在します。
結局は「ルチンに関しては事実と異なる程度」というのが正しい理解であるというのが正しい見解でしょう。
蕎麦湯の効能は全くない説こそがうそ
先ほども書いたとおりポリフェノールのルチンは水に溶けませんが、蕎麦に含まれるビタミン類は水溶性なので蕎麦湯に含まれていると考えられます。
蕎麦湯の効能が語られる時にビタミンについて言及されることは少ないですが、ビタミンが溶けるのでそれを補うために蕎麦湯は効果的というのであれば、蕎麦湯の効能は全くないとは言えません。
どれくらいのビタミンが溶け出しているのかというデータがあるわけではないので明言はできませんが、少なくとも全くないということはないというのが大方の見方です。
さらに、蕎麦自体には下記のとおり様々な水溶性の栄養素が含まれているのでビタミン以外にもこうした栄養素の摂取に役立つと見られています。
蕎麦湯に含まれる栄養価
ビタミン以外にも蕎麦湯に含まれると考えられる栄養価は以下のとおりです。
- 植物性たんぱく質
- 水溶性のカリウム
- でんぷん
- 食物繊維
こうした栄養素がたくさん含まれているのですから、蕎麦湯の効能はあると見て良いでしょう。
美容に効果があると言われる根拠は?
これまで書いたとおり、蕎麦湯を飲むことで少なからずビタミンの摂取はできることがわかっています。
ただ、蕎麦湯で美容について語られる時の多くはルチンの摂取ができることを前提にされていることが多いので、ルチンなしではさほど特筆すべき美容効果はないと言っても良いのではないでしょうか。
ルチンは血液サラサラ効果や抗酸化作用があるので、美容を考えた時には是非とも摂取したい栄養素の一つです。
蕎麦湯が美容に良いという根拠の多くはこのルチンが摂取できるためなので、蕎麦湯にルチンが含まれている可能性が低いことがわかった今となっては美容と蕎麦湯は関連付けられて語られることはなくなっていくのではないでしょうか。
ビタミンが含まれているので全く美容に効果がないとは言えませんが、美容のために蕎麦湯を飲むというほどの効果はないと思った方が良いでしょう。
蕎麦湯に含まれるカロリーはどれくらいか
蕎麦湯自体にはそれほどカロリーはないと考えられています。
蕎麦を茹でた時に溶ける蕎麦粉に含まれるカロリーが主になるはずですが、蕎麦を食べること何分の1とかそんなレベルの話なので、蕎麦湯のカロリーを気にする必要はないのかなと思います。
もしも厳密にカロリーを気にするなら蕎麦つゆの方がカロリーは高いでしょうから、濃度を薄くして少しだけ飲むといった対処をすると良いでしょう。
そもそもそれほどカロリーがないために、公式な測定値がない(測定するまでもない)といのが理解としては正しいと思われます。
糖尿病の人が蕎麦湯を飲むのは良くないのか
糖尿病患者が蕎麦湯を飲むことには賛否両論あります。
ビタミンなどの栄養素を摂取できるから良いという一方で、蕎麦粉が溶け込んでいる蕎麦湯は糖質が多く含まれているので避けるべきという意見もあります。
こうした様々な意見を見た中で最も説得力があると思われるのが、蕎麦つゆを飲むのは塩分や糖分過多になるので避けた方が良いという意見です。
いくら蕎麦湯で薄めたとしても、蕎麦つゆを飲むことには変わりがないので必要以上の塩分や糖分を摂取することにつながる蕎麦湯は少し楽しむ程度にしておくのが良さそうです。
蕎麦湯の美味しい飲み方と薄める割合
蕎麦湯はどれくらいの割合で薄めるのが美味しいのでしょうか。
個人的にはちょっと濃いめの割合で蕎麦湯を入れるのが好きですが、反対にかなり薄くなるまで蕎麦湯を入れる方が好きという人もいます。
蕎麦湯自体にはそれほど味はついていないので、結局は蕎つゆをどれくらい薄めるかが味を左右するので濃い味が好きか薄味が好きかによって美味しい割合が決まってくるのでしょう。
そもそも蕎麦湯は、手間暇かけて作った美味しい蕎麦つゆを捨ててしまうのはもったいないという考えから始まった食習慣で、あくまでもメインは蕎麦つゆです。
ですから蕎麦湯の量というよりかは、メインである蕎麦つゆの濃さをどれくらいにするのが美味しく飲めるのかという点が重要になってきます。