「教授」こと坂本龍一さんと言えば戦場のメリークリスマスを連想する人は多いでしょう。
たしかに素晴らしい映画(戦場のメリークリスマスは曲名ではなくて映画のタイトルです)ですが、「坂本龍一さんの最高傑作はこれ!」と断言するのは難しいように感じます。
これまで数多くの素晴らしい作品を作り上げていて、人それぞれ最高傑作だと感じる曲は異なるのでは?と感じるくらい様々な傑作が作られています。
ここでは坂本龍一さんの戦場のメリークリスマスについてと、最高傑作と言われることが多い作品を中心にご紹介してみたいと思います。
【訃報】坂本龍一さんが3月28日に逝去されました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
もくじ
坂本龍一の最高傑作は戦場のメリークリスマス?
世界的な作曲家である坂本龍一の最高傑作といえば、戦場のメリークリスマスを思い浮かべる人は多いでしょう。
ほかにも学校の教科書にも載っている「上を向いて歩こう」や米国アカデミー賞で作曲賞を受賞した「ラストエンペラー」など、坂本龍一には偉大な作品がたくさんありますよね。
下記のアルバム作品にも、最高傑作といえるほど評価の高い曲がいくつも収録されています。
「音楽図鑑2015Edition」
坂本龍一さん自身も、アルバムの中で最高傑作と評価している作品
「BTTB」
アルバム売り上げ第1位となり、2ヶ月以上かけて制作された作品
「千のナイフ」
ソロとしてのデビューアルバムであり、坂本龍一さんの世界観が最も感じられる作品
いずれも名作揃いなので、「これが最高傑作だ」と一つを挙げるのは難しいでしょう。人によっても感じ方が異なりますし、それぞれ良さがあって1つに絞り込むのは至難の業といえます。
戦場のメリークリスマスの曲名や曲の意味について
戦場のメリークリスマスは映画のタイトルであり、正確に言うと曲名ではありません。正式な曲名は「Merry Christmas Mr. Lawrence」
で、映画「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲となっています。映画のタイトルでもある戦場のメリークリスマスのほうが、曲名として馴染みのある人が多いのかもしれませんね。
戦場のメリークリスマスの曲の意味は、映画を知ることで深く理解できるのではないでしょうか。
映画では敵国の軍人と日本軍による、戦争を通して感じた友情や価値観を超えた繋がりが表されています。
映画のセリフにも登場した「Merry Christmas Mr. Lawrence」には、わたしたちが想像するクリスマスのキラキラしたイメージとは異なり、戦争をテーマにしたなかでの複雑な愛情や敵である相手国への敬意が込められているのです。
歌詞がないインストゥルメンタルのピアノ演奏は魅力の1つですが、国内だけでなく世界のアーティストによって歌詞つきのカバー曲が誕生しています。気になる歌詞の和訳をチェックしてみましょう。
戦場のメリークリスマスの歌詞・和訳をチェック!
戦場のメリークリスマスに歌詞はないのですが、有名なアーティストが歌詞をつけたカバー曲を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
国内では宇多田ヒカルやつじあやの、AIなどの歌手がカバー曲を作成していて、それぞれの歌詞に込められた異なる想いが感じられるでしょう。
戦場のメリークリスマスの映画サウンドトラックには、デヴィッド・シルヴィアンがオリジナルの曲に合わせて作詞した「禁じられた色彩」が収録されています。
タイトルは三島由紀夫の小説「禁色」を引用しており、和訳からは映画のなかでも問われる同性愛に対しての苦悩が下記のように表現されています。
- 神に従うべきなのか、自身の心に従うべきなのか
- 僕の愛は禁じられた色をまとっています
- 僕の命はもう一度あなたを信じる
歌詞のなかで「神」を指すキリスト教では同性愛が禁じられていることから、苦悩と相手を想う愛しさの両方の心情が感じられますね。
聴くと涙が流れる、切なくも愛にあふれたクリスマスソングなのです。
戦場のメリークリスマスの曲はなぜ泣けるのか?ジブリとの共通点についても
戦場のメリークリスマスの曲は映画の背景を知ることで胸にこみ上げるものがありますが、なぜこんなにも泣けるのでしょうか。
坂本龍一さん自身も、作曲中に何度も涙を流したそうです。曲の意味を知らずとも、辛いとき・悩みがあるときに心に染みる、自然と泣けるメロディーは坂本龍一さんの魅力の1つでしょう。
戦場のメリークリスマスといえば、ジブリ作品のとなりのトトロ挿入歌「風の通り道」に似ているとの声が多く聞かれます。比べてみると、たしかにスローテンポからのメロディーの強弱や安らかな気持ちになるメロディーは、似ていると感じる人が多いのかもしれませんね。
風の通り道以外にも、ジブリで使われる曲と戦場のメリークリスマスの中毒性あるメロディーは、共通点を感じる人が多いのです。
坂本龍一の他の代表曲といえば何?
日本音楽著作権協会(JASRAC)による使用料の分配額ランキングを見ると、次の曲が上位となっています。
- 上を向いて歩こう
- 名犬ジョリィ
- 戦場のメリークリスマス
「上を向いて歩こう」は、どの年代でも知っているまさに代表曲ですよね。
そのほかにもネットの人気投票を見ると「energy flow」や「The Last Emperor」などがランキング上位に入っています。
坂本龍一さんの代表曲を1つに決めるのは難しいですが、戦場のメリークリスマスは世界中で愛され続ける最高傑作だといえるでしょう。
あらためて、坂本龍一さんの音楽の世界を堪能してみてはいかがでしょうか。
まとめ
坂本龍一さんは、多くの名曲を生み出した日本を代表する音楽家のひとりです。
その中でも、「戦場のメリークリスマス」は、その音楽性と歌詞が評価され、彼の代表作のひとつとして知られています。また、彼が手がけた「愛のテーマ」「Ryuichi Sakamoto Trio」などの代表曲もご紹介しました。
坂本龍一さんは日本だけでなく世界でも高く評価される音楽家であり、映画音楽やポップス、クラシック、エレクトロニカなど様々なジャンルで独自の音楽性を発揮しています。
彼の作品は時代や国境を超えて多くの人々に感動やインスピレーションをこれからも与え続けてくれることでしょう。