以前、秘かなブームになっていたマイ箸ですが、今となってはすっかり見かけなくなってしまいました。
最近の飲食店での迷惑動画(スシローのペロペロ動画など)が影響して、マイ箸の方が安心かなーとマイ箸を思い出す人が増えているようです。「エコだしやっぱりマイ箸最高だよね」と、再び使い始める人も増えるかもしれませんね。
その一方で、「マイ箸ってエコじゃないよ」という意見もあり、実際のところはどうなのかなと気になる人も多いかもしれません。
その他、食中毒の危険性などマイ箸のデメリットも明らかになってきているので、マイ箸について気になっている方は是非参考にしてみてくださいね。
もくじ
マイ箸はエコじゃないって本当?
みんながマイ箸を使えば、エコになる―マイ箸を使う理由の多くは、環境への配慮の気持ちが大きいのではないでしょうか。
しかし、割りばしの代わりにマイ箸の使用が環境に良いといった意見は間違った面もあり、必ずしもエコになるわけではないのです。
では、マイ箸がエコじゃないと言われる理由は何なのでしょうか。
結論から言うと、マイ箸は輸入した割りばしの代わりに使うとエコになり、国産の割りばしの代わりに使うとエコではありません。
なぜなら、それぞれの割りばしには下記の特徴があるからです。
〈国産の割りばし〉
- 間伐材を使っているため環境に優しい
- 山の整備をすることで森林の再生につながる
※間伐材とは…木の密集を防ぎ、丈夫な木を育てるために間引いてできた木材のこと
〈輸入した割りばし〉
- 必要な木を伐採している場合があり、その後の植林が不十分であることが多い
- 伐採した現場から工場への移送や、輸入する際の二酸化炭素排出量が多い
上記の理由から、国産の割りばしを使えば森林を守ることに繋がると考えられます。それなら結局マイ箸はいらないの?と思ってしまいますよね。
しかしながら、スーパーや飲食店にある割りばしのほとんどは、中国などから輸入したものです。輸入した割りばしは森林保護や二酸化炭素排出量の問題から、できれば使用を控えたいですね。
マイ箸がエコになるかどうかは、使う場面によって変わってくるのです。
マイ箸が廃れた理由は?
2000年代に入ってから、テレビや雑誌などでマイ箸運動が取り上げられるようになりました。あなたの周りでも持ち歩いている人を見かけたことでしょう。そして2023年現在、環境問題に対する意識は高くなっているはずなのに、マイ箸の利用者は減ったと感じているのではないでしょうか。
マイ箸が廃れた理由には、大きくわけて次の2つがあります。
- エコじゃないと感じるようになった
- 食中毒の不安がある
お伝えしたように、マイ箸は輸入した割りばしの代わりであればエコになりますが、国産の割りばしは環境のためにあえて使うべきです。なぜなら、国産割りばしの原料である間伐材の需要がなくなると、森林の管理ができずに荒れてしまうからです。
もう一つの理由には、食中毒の危険性があります。
マイ箸を出先で使用したあとに「洗剤で洗って乾かしてから片付ける」という作業はなかなか難しいですよね。
サッと洗ってそのまま乾かさずに片付けると菌が繁殖し、次に使う際に食中毒の危険性が高くなります。環境問題だけでなく、衛生面からもマイ箸が廃れた理由につながっているのです。
では、実際にマイ箸による食中毒の事例があるのか確認しましょう。
マイ箸が禁止の理由は食中毒の事例があるから?
マイ箸は食中毒の危険性から、企業によっては社内での使用を禁止しているケースもあります。その一方で、ネットの情報にはマイ箸で食中毒になった事例は報告されていません。
危険性は高いはずなのに、具体的な事例が少ないのはなぜなのでしょうか。
その理由には、汚染されたマイ箸を使ったとしても人と共有することがほとんどないため、集団感染しづらいことが挙げられます。
たしかに、マイ箸を取り入れている学校給食でも食中毒の事例はあまり聞かれませんよね。
しかしながら、マイ箸は割り箸のように使い捨てではないため、集団感染は少なかったとしても食中毒の危険性は高いのです。
食中毒を発生させないために、下記の点に注意しましょう。
- 同じ皿の食べ物を何人かで共有しない
- マイ箸は毎回使ったあとに清潔にしておく
注意点を確認したうえで、マイ箸のメリット・デメリットについてチェックしましょう。
あなたは反対?マイ箸のメリット・デメリットについて
マイ箸には、次のようなメリット・デメリットがあります。
〈メリット〉
- 上手に利用することで地球温暖化の抑制や輸入コストの削減になる
- 自分の好きなデザインのマイ箸を選ぶ楽しさがある
- マイ箸を持参するとお得なサービスが受けられる店舗もある
〈デメリット〉
- 家や外出先で忘れたり、洗うのが面倒に感じたりすることがある
- 荷物がかさばる
飲食店では、マイ箸持参で割引サービスなどの特典が受けられるところもあります。
普段から持ち歩く習慣にすれば、エコな面だけでなく身近な生活の中でもメリットがあるでしょう。
マイ箸にはエコな面とそうでない面があることが分かりました。
マイ箸と割り箸どちらかだけではなく、シチュエーションによって使い分けてみるのも良いかもしれませんね。