下半身に履く服飾品を表す言葉にはズボン、パンツ、ボトムといった言葉がありますが、「ズボン」と表現するのは古いしダサいのでしょうか?
また、パンツやボトムという呼び方はいつから始まったのでしょうか?
この記事では、ズボンの言い方は古いしダサい?パンツ・ボトムの呼び方はいつから始まったかについて調べた内容をまとめています。
ズボンとパンツ・ボトムの違いの理解や、思ったほどズボンという言い方は古くないと感じるきっかけになると思いますよ。
もくじ
「ズボン」の言い方は古いしダサい?
「今日はこのズボンで出かけよう」
「新しいズボンを購入した」
このような会話にあなたは違和感を持つでしょうか?昔から「ズボン」の言い方をする人にとっては気にならない一方で、ズボンの言い方は「古いしダサい」のように、あまり良い印象を持たない人もいます。
古いしダサいといった声には、具体的に下記の理由があります。
- ファッションに無頓着な人が言っているイメージ
- オシャレさがなく子供っぽい言い方
たしかにズボンと聞くと「子供のズボン」などのように、ファッションのオシャレアイテムとしての印象はあまり持たない人が多いのではないでしょうか。
ファッション雑誌では「パンツスタイルの特集」はみかけますが「ズボンスタイルの特集」はあまりみかけませんよね。
ズボンではなくパンツと呼ばれる場面は多くなっていますが、だからといってズボンの言い方が古い・ダサいは一部の意見です。さまざまな意見がありますが、馴染みのあるズボンの言い方が、この先なくなることはないでしょう。
ズボンのパンツ・ボトムの呼び方はいつから始まった?
昔はみんなズボンと呼んでいたはずが、パンツ・ボトムの呼び方はいつから始まったのでしょうか。最初は1970年代後半くらいから一部のズボンをパンツと呼ばれるようになったと言われ、その理由には大阪万博の開催も関係しているようです。
大阪万博の開催によって、多くの海外ファッション誌が注目されるようになりました。海外ではズボンと呼ばないため「パンツコーデ」「パンツスーツ」などのファッション特集を目にする機会が増えたのです。そして、パンツ・ボトムの呼び方が多く聞かれるようになりました。
1990年代になると女性もズボンを穿くことが一般的となり、パンツ・ボトムの呼び方が定着していったのです。
ズボンの今の言い方は?パンツ・ボトムの違いについて
ズボンの今の言い方には、パンツ・ボトムス・スラックスなどがあります。それぞれの意味には、下記のような違いがあります。
- パンツ…足を片方ずつ包む、二股に分かれている長いズボンのこと(英語が語源)。
- ボトムス…下半身に身につける衣服の総称。単数形のボトムの呼び方もある。
- スラックス…パンツに比べてフォーマルな長ズボンをいう(デニムなどのカジュアルなパンツには使わない)。
つまりボトムス(ボトム)とはズボンの総称であり、ボトムのなかに下記のものが含まれていることになります。
- パンツ
- スカート
- スラックス
- スパッツ
- タイツ
など。
ズボンの今の言い方と聞くと「ズボンと呼ぶのは古いのか?」と少し気になってしまいますよね。実際には、年齢が上がるにつれてパンツと呼ぶ人が多いといった意見もあり、ズボンの言い方が古いわけではありません。
ズボンの今の言い方には、アイテムによって微妙な違いがあることがわかります。また、年齢や時代に関係するものではなく、それぞれの好みや馴染みのある言い方によってわかれているのではないでしょうか。
ズボンは和製英語?ズボンをパンツと呼ぶ理由
ズボンは和製英語ではなく、フランス語のJupon(ジュポン)が語源と言われています。海外でズボンのことを伝えたいときに「ズボン」と言っても通じないので注意してくださいね。
ズボンは日本特有のパンツを指す言い方であり、海外では英語である「パンツ」の言い方が一般的です。
ズボンが海外で通じないことは、日本のアパレル業界での言い方として都合が悪いのです。そのため、海外基準に合わせて呼び方を変えることが必要とされます。ちなみに、下着も昔のようにパンツではなく、ショーツやブリーフなどの総称として「アンダーウェア」と呼ばれるようになりました。
ズボンをパンツと呼ぶ理由には世界共通の言葉に合わせる目的があり、ファッション業界に大きく関係していることがわかります。
海外で「ズボン」が通じないことは、わたしたちの生活の中でズボンをパンツと呼ぶ機会が増えたことに関係しているのです。