冬の到来を知らせるように秋の終わり頃に飛び始める雪虫。
ふわふわしたカワイイ姿である一方で、時には大量発生して大きな被害をもたらすことも。
過去の大量発生時の状況や、大量発生する原因として考えられている要因、昔からの雪虫に関する言い伝えについてもご紹介したいと思います。
ユニクロの超極暖より暖かい!「ひだまりチョモランマ」のヒミツ
もくじ
普段はかわいい雪虫も大量発生でイメージとは違った事態に!
雪虫は小さくフワフワとした見た目から愛着を持つ人もいますが、年によっては大量発生によって生活に支障をきたす事態となることもあります。
こちらの動画は過去に北海道で雪虫が大量発生した時のテレビニュースですが、ここまで大量に飛び交っていると恐怖すら覚えてしまいますね。
さすがにもうここまで大量発生してしまうと「かわいい」とは言っていられなくなってしまいますね。雪虫自体は外注ではありませんが、大量発生することで様々な被害をもたらしてしまうので猶更です。
大量発生を引き起こす原因や、大量発生によって引き起こされる被害について次にご紹介します。
雪虫が大繁殖した原因は夏の暑さにある?害虫としての側面についても
雪虫が大繁殖した原因は、夏の気候が関係しています。2019年の秋には平年の10万倍の数の雪虫が発生、町がかすみ外出が困難になるほどでした。
その年の夏は猛暑で暑さが連日続いていましたが、その結果、雪虫の繁殖期間が長くなり多くの卵を産みます。そしてさらに夏の暑さが成長スピードを速くするという大量発生を引き起こす条件が揃っていました。
以上のことから、夏の暑さがもたらす大繁殖の原因は次の3つだと分かります。
- 繁殖期間が長くなる
- 多くの卵を産む
- 成長スピードが速くなる
普段は害のない雪虫ですが、さすがにこれだけ大繁殖してしまうとさまざまな悪影響をもたらし、次のような理由から害虫としての側面も深刻な問題となっています。
- 雪虫の死がいが野菜などの作物に付着して腐ったりカビが生えたりする
- 雪虫を吸い込むとアレルギー症状を起こすことがある
もともとアブラムシは農業害虫であり、仲間の雪虫も大量発生すると作物に被害を与えてしまいます。小さい雪虫の死がいを取り除くのは簡単ではありません。
また、吸い込んでしまった雪虫が器官に入るとアレルギー症状を引き起こすことがあります。吸い込まないためには、マスクをしたり雪虫をつぶさないようにしたりといった対策をして外出してくださいね。
雪虫とはどんな虫?正式名称と北海道だけに生息するのかについて
雪虫とはアブラムシの仲間で、正式名称は「トドノネオオワタムシ」と言います。
さらに、トドノネオオワタムシ以外の代表的な雪虫は次の2種類です。
- リンゴワタムシ
- ケヤキムシアブラムシ
上記のアブラムシの仲間はすべて「雪虫」の愛称で呼ばれています。
ちなみに、おなかの白い綿のようなフワフワは綿毛ではなく、雪虫から分泌された蝋(ろう)なのです。
雪虫の生息地は北海道だけでなく、東京や京都などの本州まで広く生息しています。雪虫と呼ばれていますが九州などの雪が降らない地域でも確認されており、次のような違った呼び方があります。
- シーラッコ
- 綿虫
- シロコババ
初めて聞いた人は、違う生き物?と思ってしまいそうですが、北海道や東北地方ではとくに雪虫が多く見られ、秋の風物詩としてなじみ深いものなのです。
「雪虫の発生で雪が降る」の言い伝えは本当?
株式会社ウェザーニューズの調査では、雪虫の大量発生から雪が降るまでの期間は北海道で平均2.24週間との結果が発表されました。
言い伝えでは雪虫の発生から約1週間で雪が降ると言われていますが、実際はもう少し遅いようです。
雪虫は冬の訪れを告げる虫として、とくに北海道や東北地方では今年も冬がやってきたとしみじみ感じる人も多いのではないでしょうか。
白くてかわいいイメージのある雪虫、これ以上の大量発生で冬の害虫にならないことを願いたいですね。
雪虫に願えば願い事が叶う言い伝えについて
雪虫といえばフワフワの綿毛が白いドレスを着ているように見えることから、別名「雪の妖精」とも呼ばれています。
こうしたかわいらしい姿からか、雪虫を手のひらに捕まえて願い事をしてから離し、無事に飛ぶことができれば願い事が叶うと言われています。
ただ、雪虫は熱に弱く、一度どこかに付着するとなかなか自力で飛ぶのは難しいため、願い事が叶うようにするのは簡単ではありません。
これらの理由から、なんだか雪虫と聞くとロマンティックなイメージが思い浮かびますよね。